ガザの虐殺をとめられるのは誰か(3)
「ガザの虐殺をとめられるのは誰か」という文章を書いている途中で、id:mojimojiさんの日記を読みに行ったら、自分が考えようとしていたこと(のさらにその先まで)がすでに説明されていました。今回はもう読売の社説は飛ばしてもらって、このエントリー(とリンク先のid:toledさんの「永遠の嘘をついてくれ」)を読めば十分です。
ていうか、はてな初心者すぎて、今初めてトラックバックの仕方がわかったよ。こんなんで、これから先、はてな村*1で生きていけるんだろうか・・・。
モジモジ君の日記。みたいな。:「本気でイスラエルがかわいそうだと思うなら」
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20090110/p1
といっても、エントリーのアウトソーシングをするのもあれなので、自分なりに考えていたことを書くと。
- ガザの虐殺をとめられるのは、ガザの虐殺を行う者である。
- それは、第一にイスラエル軍であり、イスラエル政府であり、それを支えているシオニストと呼ばれる人たちである。
- 「イスラエルを説得できるのは実質的に米国だけだ」という毎日新聞の主張は、第一にイスラエルに住む人々が―そして米国以外の国に暮らす人々も―ガザの虐殺をとめるために主体的にコミットすることができる(しないこともできる)という事実に向き合わずにすむ―つまり私たちの責任あらかじめを免罪している―という点で、欺瞞であり不正である。*2
つまり、ガザの虐殺をとめられる者は、それに反対しないこともできる者である。それは、第一にはイスラエルに住む人々であるけれど、その延長線上には、僕や君がいて、私やあなたがいる。そういうことだと思う。
本題終わり。以下は追記です。
ガザ停戦決議 実効性をどう担保するか (2009.01.10 読売新聞 社説)
惨劇にただちに終止符を打つときだ。
パレスチナ自治区ガザ紛争について、国連安全保障理事会が、「イスラエル軍のガザ全面撤退につながる即時かつ永続的な停戦」を求める決議を採択した。
交戦中のイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスは、決議を受け入れて、停戦すべきである。
くどいようだけど、「ガザ紛争」とか「イスラム原理主義組織ハマス」という表現は典型的なバグだ。
イスラエル軍が、ハマス支配下のガザへ攻撃を開始したのは昨年12月27日。以来、激しい空爆に続く地上軍の侵攻作戦で、パレスチナ側には750人を超す死者が出た。うち3分の1は子供だ。
戦闘地域と化したガザでは、国連や赤十字国際委員会による救援、支援活動すら、イスラエルに阻まれている。
人道上、看過できない事態だ。動きが鈍かった安保理が、ここへきてようやく停戦決議でまとまったのも、それが大きな原因だ。国際社会は、停戦の実現と、ガザの人道的状況の改善に向け、積極的に支援する必要がある。
バグではないけど。
「ガザが封鎖をされたとき、ガザが困難な状況に陥っていることを知ったとき、わたしたちが声を上げていれば、わたしたちが行動を起こしていれば、こんなことにはならなかったのではないでしょうか、このような最悪の事態を回避できたのではないでしょうか」
「数十人、数百人が犠牲になることによって、初めてガザのことを知る、ガザの人々の苦しみに気づく、封鎖されたガザで、ガザに住む人々が、人間性を奪われた状況を強いられ続けていたときに、わたしたちは、なにをしていたのか?どうして、150万人もの人々が、狭い土地に封じ込められているときに、それを最悪な状況だと感じられなかったのか?」
パラム、ドル、ヨジャ〜済州島に多いものみっつ〜:「許すな! イスラエルのガザ侵攻 1・10緊急行動」
http://d.hatena.ne.jp/F1977/20090111/1231645697
決議は採択されても、その実効性にはなお疑問符がつく。
米国は唯一、棄権票を投じたが、ライス国務長官は、その理由について、「エジプトによる調停結果を見極めたい」としている。
イスラエルとハマスは、いかなる条件のもとで停戦に応じるのか。合意できたとして、停戦を監視する仕組みをどう作るのか。
イスラエルが問題にするガザへの武器・弾薬流入防止を、いかに担保するのか。ハマスは、人の出入りと流通を厳しく制限するガザ封鎖の解除を求めているが、イスラエルはどう応えるのか。
読売もアサヒバグにやられてるな。自分でも信じていないイスラエルとハマスとの対称性*3をぶちあげて、適当に字数を稼ぐなよ。
核心的な問題は、エジプトの調停によるイスラエル、パレスチナ自治政府、ハマスの当事者協議に委ねられた形だ。協議の行方は楽観できない。
来月10日には、イスラエル総選挙が予定されている。ハマスへの強硬姿勢をとる野党リクードが政権復帰すれば、今後の展開がさらに流動的になる可能性もある。
何よりハマスは、イスラエルとの平和共存を拒否してアッバス自治政府議長と対立している。住民に将来への確かな展望を示せるよう、内部対立を解消するパレスチナ側の努力が不可欠だ。
- パレスチナの人々が選んだ政府は、米欧や日本が「パレスチナ自治政府」と呼ぶファタハのアッバス体制ではなく、ハマスである。
- ハマスはイスラエルとの平和共存を拒否していない。
- パレスチナの「住民に将来への確かな展望を示」すためには、イスラエルが変わらなければならない。それは私たち自身が「袋小路から『ともに』引き返す」ことでもある。
今月から非常任理事国として安保理メンバーとなった日本は、決議に賛成した。来月は安保理議長の重責を担う。
イスラエルとパレスチナの永続的な共存を目指す中東和平プロセスの再生へ、日本としても積極的な役割を果たすことが重要だ。
「積極的な役割」ってたとえばこんなの?すっげー不安。ていうか、麻生政権はどうせすぐに倒れるからいいのか?
P-navi info:「麻生外務大臣が考える中東政策」
http://0000000000.net/p-navi/info/column/200703062130.htm
では本日の追記の結論を。
朝日ぶっちぎり。星はバグの結晶か何かだと思ってください。